金属熱処理技能検定

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
今年は異常な猛暑が続いています。
従業員の体調管理にも設備のメンテナンスにもいつも以上に気をつけていかなければならない状況です。みなさんも体調には充分ご留意下さい。

さて、今年も8月は技能検定の試験があります。
今年もメタルヒートからは、1級2名、2級2名の計4名が受検します。
日頃の勉強の成果を発揮して是非、全員無事合格といきたいものです。

10月ごろには結果をお知らせしますので、お楽しみに。
それでは、また来月もよろしくお願いします。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
HP:http://www.sus-heattreatment.jp   TEL:0566-98-2501

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メタルヒートの品質管理の考え方について

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
今回はメタルヒートの品質管理に対する考え方をご紹介します。

メタルヒートでは以前より、重大不具合として扱われない程度の軽微な不具合やミスを「品質情報」として管理し、各部署へ展開して再発防止に努めてきました。
この「品質情報」の発生件数を年間○○件以下に抑制しようと毎年目標を設定して取り組んできましたが、今年からこの取り組みの方向性を変化させています。
「年間○○件以下に抑制しよう」から「年間○○件以上あげよう」と目標を変え、ごく軽微なものも積極的に報告する事を推奨するようになりました。

人は不具合やミスの報告にはストレスを感じます。ばれない程度の軽微な事であれば、内々で済ませてしまおうと考えてしまう場合も当然あるでしょう。
しかし、その様な考え方がより重大な不具合の発生に繋がってしまう例が、昨今の日本の製造業でも何度も大きなニュースとして取り上げられました。
我々はこれを他人事と考えず、全社員が不具合の発生を積極的に報告し、再発の防止、対策の横展開にしっかりと繋げていける体制を構築していきたいと考えております。
そのための第一歩として、不具合やミスが発生した時、それを責めるような目標ではなく、報告を推奨する目標へと変更しました。
少しずつでも成果が得られるよう今後も取り組んで参ります。

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ステンレスと錆

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
今年も梅雨入りの時期が近づいてきました。
毎年この時期は製品の錆び対策に特に気を使います。

さて、ステンレスといえばその名の通り錆びない事が最大の特徴ですが、これはステンレス鋼の表面を覆う酸化皮膜(不動態皮膜)によるものです。
ステンレス鋼の表面は厚さ1~5nm程度の極薄いクロム酸化物でできた皮膜に覆われています。この皮膜は非常に稠密で安定した構造をしているため、皮膜内の鉄の酸化を防ぎます。
これがステンレス鋼が錆びない仕組みですが、この皮膜が破壊された場合はステンレス鋼も錆びる事があります。例えば異種金属と長時間接触していた場合に起こるもらい錆などがあります。
熱が原因となるものとしては、鋭敏化が有名です。特定の温度に保持されることで鋼材表面を覆うだけのクロムが欠乏します。
オーステナイト系ステンレス鋼では特にこの鋭敏化に注意して熱処理や溶接が行われていますが、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼を500℃程度の温度で焼戻ししたときも同じような状態になります。

みなさんの参考になったでしょうか。
それでは、また来月もよろしくお願いします。

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フェライト系ステンレス鋼の475℃脆性について

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。

今回は、475℃脆性についてお話します。
「475℃脆性」または「475℃脆化」は、フェライト系ステンレス鋼や二相系ステンレス鋼に見られる脆化現象です。300℃~550℃程度に一定時間加熱した時に脆化が起こり、硬度が上昇し、延性や靭性が低下します。特に475℃付近で急速に脆化するため475℃脆性と呼ばれます。
この脆化現象は、Cr含有量が12%を超えると確認されるようになり、含有量が増えるほど短時間で脆化が発生します。およそ15%を超えるあたりからこの脆化減少が問題となる場合が多くなります。
フェライト系ステンレス鋼で特筆される特徴ですが、マルテンサイト系ステンレスやオーステナイト系ステンレスでも起こります。

この脆化現象はスピノーダル分解という相分離によって起こり、組織がCr濃度の高いフェライト相と低いフェライト相に分離する事により硬く脆い組織になるのです。
この脆化は、600℃以上の温度で一定時間保持することでCrを再固溶させて解消する事ができます。
600℃~800℃程度の温度域ではσ脆性という別の脆化現象が発生しますが、これはその温度域で数百時間程度の保持が必要なため、熱処理工程で問題視される事は一般的にはありません。
また、475℃脆性は、Alなどの添加で発生を抑制できることが確認されています。

みなさんの参考になったでしょうか。
それでは、また来月もよろしくお願いします。

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真空熱処理とボンデ処理

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。

今回は、真空熱処理とボンデ処理についてお話します。
ボンデ処理とはリン酸塩皮膜の上に金属石鹸、ステアリン酸ソーダ反応させた多層構造をしており、冷間鍛造などで潤滑剤として使用されています。
材料と金型との摩擦を軽減して、金型の寿命を延ばしたり、焼きつきを防いだりする事ができます。
このように鍛造工程では便利なボンデ皮膜ですが、加熱することで溶解、炭化して、金属の表面に残存します。
大気炉やガス雰囲気炉ではそのまま熱処理を行い、最終的にショットブラストなどによって除去する事が一般的です。
しかしこのボンデ皮膜は真空炉とは非常に相性が悪く、炉内に拡散して炉壁やヒーター、配管内などに付着して炉内環境の汚染の要因となります。
そのため、ボンデ処理させたワークを真空熱処理する場合は事前にボンデ皮膜を除去する工程が必要になります。
ボンデの除去は、ショットブラストなどで物理的に除去する事が一般的ですが、アルカリ洗、酸洗の順番に洗浄を行う方法、400℃程度の加熱により炭化させるバーンアウトなどの方法もあります。
ボンデ処理させた材料をご依頼の際は、事前にお知らせ下さい。

それでは、また来月もよろしくお願いします。

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フェライト系ステンレス鋼の焼鈍について

みなさんこんにちは。
メタルヒートです。

似たようなお問合わせを立て続けに頂く事は良くあるのですが、1月はフェライト系ステンレスのSUS430に関する問合わせをいくつか頂きました。
SUS430は、焼入れで硬くすることのできない材料で、我々のような熱処理メーカーにくるのは、焼鈍の依頼がほとんどです。
オーステナイト系ステンレス鋼を固溶化処理する際に、鋭敏化温度域を素早く通過させなければならない事は良く知られていますが、フェライト系にもα脆性、475脆性など脆化温度域があり、この温度域は素早く通過させてやる必要があります。
また、フェライト系ステンレスの特徴として、非常に変色しやすい点も挙げられます。固溶化処理と比べると低い温度での処理になるため、真空炉でも炉内の水蒸気や酸素などのガスを排出できる量が少なく、表面の酸化皮膜が成長し易いためです。
弊社では特に変色を避ける必要がある場合は、連続式の真空炉で超高真空状態で処理するなど行っていますので、ご相談下さい。

厳しい寒さが続く中、インフルエンザも流行しているようです。
みなさんも体調にはお気をつけて。
それではまた来月もよろしくお願いします。

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不具合発生事例の紹介その2

みなさんこんにちは。
メタルヒートです。
先月に引き続き熱処理の現場で実際に発生した不具合事例ととその対策についてご紹介します。

【焼入れ工程着色発生】
■不具合内容
 金型部品の焼入れ処理を行った際、炉内の製品全体に多数の黒点が付着した。
■原因調査
 炉内を隅々まで確認したところ、炉床の下部より黄色い固形物が発見された。
 不具合の発生した前の処理内容と投入した製品を確認したところ、ソルト焼入れ品の焼戻し処理をしていた事から、固形物は製品の止まり穴に残留していたソルト溶液であると断定した。
■対策
 炉内の清掃を徹底的に行ったが、炉内のいたるところに拡散しており、微細な残留物は昇温、冷却の工程を何度も繰り返す事で少しずつ排出した。

2ヶ月に渡って不具合事例をご紹介しました。
普段あまり表に出ることの無い情報ですが、参考になったでしょうか。
それでは来月もよろしくお願いします。

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不具合事例紹介

みなさんこんにちは。
メタルヒートです。
今回は熱処理の現場で実際に発生した不具合事例ととその対策についてご紹介します。

【焼鈍工程:硬度規格外れ】
■不具合内容
 量産部品の応力除去焼鈍を行った際、硬度規格よりも硬い製品が検出されました。
■原因調査
 通常30個/10,000個で行っていた抜取検査を120個/10,000個にn増しして硬度測定を行ったところ、量産流動開始当初とは異なる場所で炉内の熱まわりが悪くなっている事が分かりました。
■対策
 処理時間を延長する事で全体の硬度を規格内に安定させる事ができました。

来月も引き続き熱処理の現場で発生した不具合内容と対策をご紹介する予定です。
それでは来月もよろしくお願いします。

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新会社と新工場の計画

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
随分暖かくなって、少しずつ春が近づいているのを感じます。
もうすぐ2016年度も終わりを向かえ、新年度が始まります。

メタルヒートは、来期タイで新会社の立上げを行います。
タイの現地企業と合弁会社を設立して現地生産を行う計画です。

また、第2工場へも新しい設備の導入を計画していますが、これが決定するといよいよ次の設備を導入する為のスペースが全く無いという状況となります。
そこで、能登に新工場を建設する計画も具体化していかねばなりません。
2018年度には能登工場建設に着手する事を目標に打ち合せを重ねている状況です。

2017年度もメタルヒートは新たな挑戦を続けていきますので、みなさん、どうぞよろしくお願い致します。

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真空炉の部品の話

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
今回は最近修理や交換をした真空炉の部品の紹介をします。
特に深い意味はありませんし、熱処理自体ともあまり関係がありません。
徒然なるままにそこはかとなく書きつくれてみます。

サイリスタ
電流を制御する機能を持つ半導体素子で、周期毎のON時間の割合を変化させる装置として使われています。通常の電気の周波数(東日本:50Hz/西日本:60Hz)よりももっと短い周期で、電流がONになっている時間をコントロールすることができます。
極簡単にいうとスイッチのONOFFを素早く繰り返して電流量を調整している装置です。
例えば電灯の明るさの調整、エレベーターの速度制御などにも使われています。

インバーター
直流電力を交流電力に変換するする装置を一般にインバーター(逆変換回路)と呼び、交流電力を直流電力に変換する装置をコンバーターと呼びます。しかし、一般にこのインバーターとコンバーターの機能を合わせて持つ装置をインバーターと呼ぶ事が多いです。
例えば家庭用の電源は、交流で100V/60Hzというように地域毎に統一されていますが、この電圧や周波数を交流のまま変換する事は難しいのですが、一度直流に変換した後に再度交流へ変換する事で簡単に電圧や周波数を変える事ができます。

ベークライト
熱硬化性樹脂のひとつであるフェノール樹脂で、耐熱性・難燃性に優れています。また、絶縁体であるという特徴も持っています。
今回交換した部品は、ヒーターの電極が通っているフランジの部分でした。

真空熱処理炉は、様々な熱処理炉の中でも比較的複雑な機構をしている為、不具合の発生箇所も実に様々です。
不具合で炉の稼動に影響が出れば、お客様へ与える不利益は小さなものではありません。迅速な復旧も勿論ですが、不具合の発生しない予防保全にもしっかりと取り組んで参ります。

それではまた来月もよろしくお願いします。
メタルヒートのホームページへは → http://www.metalheat.co.jp/

 

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