真空熱処理とボンデ処理

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。

今回は、真空熱処理とボンデ処理についてお話します。
ボンデ処理とはリン酸塩皮膜の上に金属石鹸、ステアリン酸ソーダ反応させた多層構造をしており、冷間鍛造などで潤滑剤として使用されています。
材料と金型との摩擦を軽減して、金型の寿命を延ばしたり、焼きつきを防いだりする事ができます。
このように鍛造工程では便利なボンデ皮膜ですが、加熱することで溶解、炭化して、金属の表面に残存します。
大気炉やガス雰囲気炉ではそのまま熱処理を行い、最終的にショットブラストなどによって除去する事が一般的です。
しかしこのボンデ皮膜は真空炉とは非常に相性が悪く、炉内に拡散して炉壁やヒーター、配管内などに付着して炉内環境の汚染の要因となります。
そのため、ボンデ処理させたワークを真空熱処理する場合は事前にボンデ皮膜を除去する工程が必要になります。
ボンデの除去は、ショットブラストなどで物理的に除去する事が一般的ですが、アルカリ洗、酸洗の順番に洗浄を行う方法、400℃程度の加熱により炭化させるバーンアウトなどの方法もあります。
ボンデ処理させた材料をご依頼の際は、事前にお知らせ下さい。

それでは、また来月もよろしくお願いします。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
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