固溶化熱処理と保持時間その2

みなさん、こんにちは。
梅雨の季節になりました。
気温や湿度の上昇は人間にとっても不愉快ですが、錆びない鋼材ステンレスだって条件次第では錆、腐食が発生してしまうものです。
品質の管理にも注意したい時期です。

さて、前回の続きです。
固溶化熱処理の保持時間に関しては、
「25mmに対して1時間」
「1mmに対して1.5分」(薄板の場合)
という標準があります。
これを基にして、
①製品の形状、質量   (重量、サイズ、数量など)
②炉内の環境、雰囲気  (真空、各種ガス、大気など)
③設備の性能       (加熱・冷却の方法、炉の容量など)
④鋼材の元素量      (C、Cr、Niなどの含有量により延長する場合があります)
などの要件を考慮して決めています。
つまり、各熱処理メーカーが標準を基に自社設備に合わせた条件設定を行っているのです。
そこには、これまでの実績によって蓄積した知識や経験によるところも多くあります。
また、試作による評価から新たな条件設定をする事も常に行われています。
この様な事情から、各鋼種の保持時間に関して明確な一覧表を作成してしまう事はなかなか難しいのです。

今回はこれでおしまいです。
それでは、また来月もよろしくお願いします。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
HP:http://www.sus-heattreatment.jp   TEL:0566-98-2501

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