ステンレスと錆

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。
今年も梅雨入りの時期が近づいてきました。
毎年この時期は製品の錆び対策に特に気を使います。

さて、ステンレスといえばその名の通り錆びない事が最大の特徴ですが、これはステンレス鋼の表面を覆う酸化皮膜(不動態皮膜)によるものです。
ステンレス鋼の表面は厚さ1~5nm程度の極薄いクロム酸化物でできた皮膜に覆われています。この皮膜は非常に稠密で安定した構造をしているため、皮膜内の鉄の酸化を防ぎます。
これがステンレス鋼が錆びない仕組みですが、この皮膜が破壊された場合はステンレス鋼も錆びる事があります。例えば異種金属と長時間接触していた場合に起こるもらい錆などがあります。
熱が原因となるものとしては、鋭敏化が有名です。特定の温度に保持されることで鋼材表面を覆うだけのクロムが欠乏します。
オーステナイト系ステンレス鋼では特にこの鋭敏化に注意して熱処理や溶接が行われていますが、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼を500℃程度の温度で焼戻ししたときも同じような状態になります。

みなさんの参考になったでしょうか。
それでは、また来月もよろしくお願いします。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
HP::http://www.sus-heattreatment.jp    TEL:0566-98-2501

カテゴリー: 雑談 パーマリンク