オーステナイト系ステンレスの磁性

みなさん、こんにちは。
今回はオーステナイト系ステンレスの磁性について少し話します。

オーステナイト系ステンレスと他の系統のステンレスを見分けるのによく使われる方法として磁石にくっつくかで確認する事ができます。
これは、オーステナイト系のステンレスが磁石と付かない性質(非磁性)を持つ鋼材であり、他の系統(フェライト系、マルテンサイト系、二相系、析出硬化系)は磁石に付く性質(強磁性)を持つからです。
ですが、オーステナイト系ステンレスも冷間加工などによって応力が集中する場所にはわずかながら磁性を持つようになります。分かり易い言い方をすると、オーステナイト系ステンレスの板を曲げると曲げた箇所が磁石とくっつく様になるという事です。
これは、固溶化熱処理によって再度非磁性の性質に戻す事が可能です。
しかし、曲げた部分は加工硬化して硬くなるので、これを利用して製品を造る場合もあります。
一般的に曲げた部分は耐食性が下がる傾向がありますので、耐食性と硬さについては必要とする性能に対してのバランスの見極めが必要です。

それでは今回はここまでで、また来月もよろしくお願い致します。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
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