ステンレスの低温焼鈍

みなさん、こんにちは。
メタルヒートです。

今回は、ステンレスの低温焼鈍についての紹介です。
SUS301、SUS304などのバネ用ステンレス鋼に対して、冷間加工後に低温焼鈍を行う事があります。
これらの鋼材は、冷間加工によって加工硬化し易く、オーステナイト系のステンレス鋼としては比較的高い硬度が得られます。
特にSUS301はHv500以上になります。(SUS304ではHv400程度)
ただ、過度に応力のかかった状態で使用した場合、経年変化による置き割れや粒界腐食などの悪影響が出る可能性があります。
固溶化熱処理によって加工応力を除去し、これらを解消する事は可能ですが、その場合硬度がHv150~200程度まで低くなり、著しくバネ性が低下します。
そこで250~480℃程度の比較的低い温度域での熱処理により、硬度を保って加工応力の除去を行い、強いバネ性を残します。
大きな負荷のかからない小物・薄物製品などは熱処理を行わずに使用する事も多いのですが、最も性能を発揮するのは400~420℃の低温焼鈍を行ったときとされていますが、
500~850℃近辺の鋭敏化温度を避けて、やや低めの温度域を選択することも多くあります。

それでは今回はこの辺で。
また来月もよろしくお願いします。

株式会社メタルヒート / ステンレス・真空熱処理 / 愛知県安城市
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